ビジネスに物語の力を活用する:ストーリーテリングの力(1)

ストーリーテリング(物語で話す)の力

子供に話をするときはもちろんですが、ビジネスでも話をする時に物語調で話すと分かりやすくなります。 聞いてる人がイメージしやすくなるからです。 あまり中身がない話でもストーリーで起承転結を設けて 説明されるとなんとなく説得力が増すものです。 ビジネスでプレゼンテーションをしたり講演会をしたりあるいは部下を鼓舞する時にこのストーリーテリングの力を利用しない手はありません。欧米ではこういった手法が 主流になりつつあります。

ストーリーテリング(物語で話す)の力が役立つビジネスの場面

もう少し具体的にビジネスでどのような時にこのストーリーの力が役立つでしょうか。

  • 会社のブランドイメージをわかりやすく顧客に伝えるとき
  • 複雑で無味乾燥な面白味のない内容を覚えやすくわかりやすく説明するとき
  • 気持ちを鼓舞し感情をわきたてやる気を起こさせたいとき

既存の顧客や潜在的な顧客と感情的なつながりを持つ

物語(ストーリーテリング)の力を利用しよう

物語(ストーリーテリング)の力を利用しよう

まず会社のブランドイメージについてお客さんに伝えるとき、どのようなことに触れればいいでしょうか。 会社の今までの歴史、ミッション、ビジョン、価値観、従業員などが重要な要素になります。こうした要素は顧客にとって会社をイメージしやすくなります、また科学進歩に左右されずに年月を経ても廃れることはありません。また 将来的に雇う従業員にとっても魅力的に映るでしょう。そして従業員の連帯感を強めるきっかけにもなります。

世の中には似たような商品がたくさんあります。 ペットボトルのお茶ひとつとってもたくさんのメーカーがたくさんのラインナップを揃えています。 あなたはいつも買うお茶は決まっていますか? 大きな会社になればなるほどお客さんの好みを探るために膨大なマーケティング調査を行います。 その上で潜在顧客にいかにリーチするか、どのようにしたらお客さんに繋がりを感じてもらえるか、様々な試行錯誤を行います。 最終的にお客さんが自社の製品に繋がりを感じ、他のあらゆる類似商品の中から自社の商品を選んでもらえるようにするのです。 

ペットボトルのお茶ひとつとっても 購買するきっかけは様々です。価格が安い、味が美味しい、 いつも買っている贔屓のメーカーのものを買う、ペットボトルのデザインが素敵だった、 たまたま買いたいものがそれしかなかった、おまけがついていたので買ったなど無数の要因が考えられるわけです。 いずれにせよ購入にあたってはその商品とつながりを感じなければいけません。

例えば P & Gという会社はパンパースというおむつを製造販売しています。こうした商品は吸収性や快適性など、いかに機能が優れているかを訴えがちですが P & G は2013年にちょっと変わったキャンペーンを行いました。テレビの CM で夜中ぐっすり眠っている赤ちゃんの物語を流したのです。 機能性よりも赤ちゃんがいかに健康で夜ぐっすり眠っているかというところに注目してもらい赤ちゃんがいる親御さんとの感情的なつながりを築こうとしたのです。

ブランドイメージは古くならない

商品やサービスは時と共に変化します。 自社の商品やサービスは時代とともに変化革新を遂げて行かなければいけません。ただしブランド価値、評判、信頼、ビジョンといったものは 年月を経ても廃れることはありません。 例えばパナソニックという会社は電球のソケットを製造販売したことからスタートした会社ですが、ご承知の通り今では様々なものを販売しています。しかしながら 経営理念やビジョン、ミッションといったものは創業100年以上経っても基本的なものは変わっていません(若干のマイナーチェンジはありました)。 

つまり商品やサービスが変化してもブランドや企業のビジョンミッションといったものはほとんど変化しないのです。

従業員の連帯感を高める

物語の力は社内でも使える

物語の力は社内でも使える

会社の持つストーリーや物語はお客さんだけではなくそこで働く従業員をも惹きつけ連帯感を高めることができます。 ある程度大きな会社になると創業者を題材にした資料館やメモリアルルームみたいなものを拵えて、一般に開放するところがあります。もちろんお客さん向けのものではありますが従業員もそこで創業者や会社の考え方ミッション、ビジョンを改めて勉強する機会にもなります 。基本的にはその会社の考え方に親近感を持ってもらうために作っているため、そうした施設や学びを通して、働くやりがいやモチベーションが高まります。

この流れで考えるとマネージャーつまり上司に立つ人はこのストーリーを使って部下を鼓舞する必要があります。そのやりたい に関しては 次回の記事で話すことにしますが、 トピックだけここで触れると。

  • 部下だけでなく同僚とつながりを持つことができる
  • 部下とチーム一体となって結果が出せる
  • 部下との信頼関係を築ける
  • 自分の話を説得力ある魅力的なものにする

上記のような効果が見込めます。 

物語やストーリーにすると覚えやすくなる

単純に物事の要素を列挙しただけではなかなか覚えられませんね。それをつなげて物語にすると実に22倍も覚えやすくなるという結果がスタンフォード大学の研究によって明らかになりました。先日の会議のことと1か月前に読んだ小説とどちらの内容を把握しているでしょうか?おそらく小説ではないでしょうか。

また聞いてる時も集中力が違います。単純にデータやファクトだけを聞いている場合と物語の中で聞いてる場合と全く集中力が違います。 よく他の人の話を聞いてる時にその状況をなんとなく頭に思い浮かべることがあります。つまりその話の登場人物に感情移入してあたかもそこにいるかのようなイメージを持つのです。そうすると 脳の働いてる部分が飛躍的にひろがりそれだけ頭に残るわけです。

頭脳や論理ではなく感情に訴えるストーリー

出来の悪い営業マンが上司から今月の数字が足りないと言われてガンガン怒られているとします。 数字ばかりが頭に残りやる気はどんどん失われるのではないでしょうか。ここでストーリーを使って大きな感情を呼び起こすのです。お客さんもそうです。理屈によって購入する場合もありますが大抵は感情によって行動を起こします。感情を掻き立てるようなストーリーを用いて部下を鼓舞したりあるいはお客さんに購買行動を促すのです。

お客様の声の重要性

最近のマーケティングではお客様の声が非常に重要だと言われています。アマゾンやグーグルマップでいろんな商品やお店が評価されています。皆さんも一度はそのような評価をもとに購入するかあるいは訪問するかどうかを決定しているのではないでしょうか。 このお客さんの声というのはとても重要です。マイナスになることもありますが、もし自社で活用する場合は当然良いお客さんの声を拾って宣伝するわけです。つまりお客さんのサクセスストーリーを自社の商品やサービスのPR に使わせてもらうのです。テレビショッピングでも例えば最近便秘に悩まされている女性がハーブティーを飲むことでいかにその症状から脱却できたかをストーリーで伝えます。 

もちろんお客さんによって興味関心が違うため一つのストーリーで全てのお客さんにを惹きつけることができません。願わくば一人一人のお客さんの興味にあったストーリーをカスタマイズして提供するのがベストです。

次回へ続く

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