ドラッカーに学ぶ:顧客志向と市場動向

ドラッカーに学ぶ顧客志向と市場動向

前回はいかにお客さんの考えてることほっしていることが重要かを話しました。 顧客の情報や市場の状況を正確に把握する必要があります。 正しい情報なしには正しい決定を下すことはできません。 

しかし雑多な情報が世の中に繁茂している状況では以下に必要な情報だけを切り取って把握するかが重要です。 本当に必要な情報は決定権者一人だけで把握するのではなく組織全体が知っている必要があります。 一人一人が顧客や市場の情報に敏感になって必要な情報は組織内でシェアできるようにしましょう。さもなければ重要な洞察が得られなくなります。組織全体で状況認識を共有することで、個人や部門が協力し合える状態になります。

顧客目線でビジネスを

顧客目線でビジネスを

業績を伸ばしている会社であればあるほどそうした情報をすぐに取り出せるようにシステムを構築してあります。システムとはこの場合、社内ネットワークや社内 SNS構築などが考えられます。個人情報などはきちんと管理しなければいけませんが、お客さんの意向や業界の情勢などは データベースとして管理しグラフにしたり表示したりしていつでもどこでも誰でも参照できるようにしてあります。一部の人だけがアクセスできるような制限をしないようにしましょう。 

また一度やったら終わりではなく定期的に継続的に情報をアップデートしましょう。そうしたことを組織にいる人全員に伝える必要があります。そのためにはマネジメントレベルにいる人がこうした顧客志向や市場動向についてフォローすることがいかに大切かということを部下に話して聞かせることが重要です。 会社の理念として掲げててもいいでしょう。

またいかにお客さんにフォーカスをするかということは部門を越えてみんなで一致団結して行わなければなりません。社内的な内輪もめや政治的な行動などは厳に慎む必要があります。 

そのためにも協力して何かを成し遂げたりあるいは情報を提供してくれた人を評価する社内制度も必要です。単純に上司が部下に対して褒める言葉を SNS であげたりあるいは実際に声に出して承認するなど簡単なことでも構いません。文字で入力する場合はいつでもどこでも簡単に入力できるようなシステムを構築しましょう。音声入力なのができるようなプラットフォームや写真もアップできるようなものであればいいでしょう。 

このことは企業の規模にかかわらず大企業であろう中小企業であろうがまた非営利組織であったとしても同じことが言えます。

では実際に顧客志向と市場動向についてどのように調査すればいいのでしょうか。それぞれヒントとなるソースに関して考えてみましょう。

顧客の意向や志向について

①自社の持っている顧客データベース(購入履歴や現在の自社との関係)

これは日々行なっている営業活動でどのような結果を得たか、データベースを積み重ねておくことで分析することができます。 

②顧客のアンケート結果(顧客の満足度)

マーケティングの一環としてアンケートを取ることがあるでしょう。その結果をきちんと日時をつけて内容を蓄積することで顧客の志向を分析できます。

③顧客の SNS での活動

お客さんと SNS で繋がることはとても有意義なことです。お客さんの興味や関心が分析できるからです。 アプリなどでつながることも考えられます。

④顧客になってない人のプロフィール

これは B to B に関して顕著ですが、これから顧客になってほしい会社のウェブサイトやプレスリリースなどをチェックしてどのような意向があり、どのような課題を抱えているのか知るきっかけになります。

市場動向の確認

①競合他社のプロフィールと活動

有名な孫氏の言葉に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」があります。 競合他社のことを分析することはとても重要です。また新規に競合他社が入って来ないかどうかその辺も注意する必要があります。 競合他社を分析する方法は調査会社に依頼する方法もありますが、 業界レポートなので確認することもできます。 

②取引先(サプライヤー)の行動の変化

製造業などで言えることですが何か原材料を仕入れる場合に仕入先の状況を把握しておく必要があります 。 技術の進歩などもアンテナを張っておく必要があります。

③顧客行動の変化

顧客の行動変化からも市場の動向を推し量ることができます。 特に社会の感情や意見などに敏感になっておく必要があります。環境問題に対する意識の向上や、 SDGsなどの世間的な感情の変化なども意識して見張っておきましょう。 

④政治や法律の環境変化

松下幸之助は経営者も政治に関心を持つことと説いていました。政治は経営とは別と思わないで政治の変化またそれに伴う環境の変化に十分注意を払いましょう。

次回は顧客の変化や市場の変化にどのようにして気づいて対応していけばいいのか具体的な例を交えながら説明します。

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