⑤インドネシアにも独特のカースト制度がある

(バリにあるリゾートホテル)

インドネシア人の多くはイスラム教徒ですが、 インドネシアの一大観光地で国内で最も物価が高いバリ島バリ人の多くはヒンドゥー教徒(ヒンズー教徒)です。

1世紀以降、ジャワ島ではイスラム教が浸透し16世紀には王朝もイスラム化していきます。 しかしバリ島ではヒンドゥーの王家がそのまま残り、住民もビンドゥー教徒のまま今日に至りました。

バリのヒンドゥー教(ヒンズー教)は「バリ・ヒンドゥー」とも呼ばれ、インドのヒンドゥー教とは多少異なりバリ土着の自然や祖先の霊を信仰するアニミズム的な要素が強いのが特徴です。

さて、ヒンドゥー教につきものの「カースト制度」はバリではどうなっているのでしょう。 インドのカーストは、バラモン (司祭)、クシャトリア (王族)、ヴァイシャ (商人)、 シュードラ (奴隷民)の四つの階級と、カースト外のアチュート(不可触民)からなります。(詳しくはこちらの記事を)それに職業別の身分制度であるジャーティに より、 人々の身分はさらに細分化されています。 その結果、インドは長い間、人々に職業選択の自由はありませんでした。

バリ島の人はほとんどがスードラ(平民)
バリ島の人はほとんどがスードラ(平民)

パリのカーストはブラフマ (僧侶)、クシャトリア(王族)、ウェシャ(貴族)、スードラ (平民)の四つに分かれています。称号を持つ上位三つは「トリ・ワンサ」と呼ばれていますが、バリ人の9割は平民であるスードラに属します。 インドのカーストとは異なり、バリではカーストによる職業の分業や制約はありませんし異なるカース間の結婚も可能です。 また、異カースト間で食事を共にすることも問題にはなりません。

ただしバリ語を使って話す場合、異カースト間での言葉遣いに関しては注意を要します。 カーストの高い人に対しては、低い人には下位の言葉を使うなど、相手により言葉を使い分けているのです。 ただしバリ人のほとんどはスードラなので、われわれ外国人はあまり気にしないでも問題はないでしょう。

バリ人の名前はカーストとその出生順位によって決まります。 だから名前を聞けば、その人がどのカーストに兄弟の中で何番目に生まれたかがわかります。 一番多いスードラを例にとると、男女関係なく第1子はワヤン(またはブトウ)、第2子はマデ(またはカデッ)、以降ニョマン(またはコマン)、 クトゥットと続き、5番目以降はまた最初に戻ってワヤンにな ります。 男性に「イ」、女性は「二」をつけて、「イ・ブトゥ」のようにして区別します。 人の多いところでは、何人もワヤンさんがいることになります。

同じ名前の人が何人もいたら誰を呼んでるのかわからなくなり混乱が生じるのではないかと思うと思います。インドネシアではミドルネームを含めていくつ名前をつけてもよいことになっています。ひとつしか名前のない人や五つも名前がある人がいます。そうしたことで区別できるようになっています。

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