エアコン設置するだけで年収2千万!?

By Ryoji Shimada

去年から今年にかけて新型コロナウイルスの影響で企業業績が大幅に悪化した一方で、売り上げが伸びた商品やサービスもあります。 家で消費するもの、物流また IT関係が順調だったようです。 また意外にも家電関係も良かったようです。 家で過ごす時間が増えたためテレビを買い換えたり、新しい音響機器を買ったり、またエアコンを新調したりした人も多かったようです。

私も、昨年の夏に新しくクーラーを新調しました。その時にクーラーを設置しに来た人がこんなことを言ってました。「私の同業者は年に半年ぐらい思いっきり稼いで、残りの半年は海外で過ごしていますよ」。 彼が言うにはこのパンデミックの影響でエアコンを新調する人が増え、仕事の依頼が多く1日に 5から6件ぐらい設置することで日給10万円ぐらいの稼ぎがあるとのことです。 仮に毎日働き半年も頑張れば 2000万円近くの利益が上がり残り半分を海外でサーフィンをしてエンジョイできるというのです。

エアコン1台取り付けるのに1万5千円
エアコン1台取り付けるのに1万5千円

私はその話が眉唾で仕方がありませんでした。 確かに 1台設置すれば1万円から2万円ぐらいの設置料金はかかると思うのですが、毎日5、6軒やるというのはかなり大変なのではないか。 彼が言うには確かに大変だけどマンションとかに限って集中してやればできないことはないというのです。さすがに繁忙期の夏の間だけだろうし、実際に毎日休まず働くというのは現実的ではないでしょう。それにそんな美味しい仕事が毎日ホイホイ入ってくるとも思えません。ただ、確かに半年ではなく年間働くということで考えれば、うまくいけば2000万円に届くかも知れません。

ところで、日本ではブルーワーカーに関してあまりいいイメージを持っていない人が多いのではないでしょうか。アメリカや海外でも同じようなイメージを持っている人が多いそうです。その代表格が建設業関係の仕事だと思います。 ただ今後、職人さんが足りなくなる中で一定のスキルがあれば職にあぶれないのも確かではないでしょうか。 

実はオーストラリアで一番給料の高い職業は炭鉱掘りだそうです。 平均年収で1千万円を超えるそうです。アメリカもシックスフィギャー(six figure)といって、つまり6桁(10万ドル)の収入、つまり日本円で1千万円を超える年収を稼ぎ出すいわゆるブルーカラーの職が多数あるそうです。

ホワイトカラーよりブルーカラーのほうが時給が高い?

2021年2月に入っても毎週の失業保険申請者数は80万人を超えて今でも何百万人の人が仕事を探しています。 そういう状態でもまだ人手不足がある業界が存在します。 ブルーカラーといってもたくさんの仕事がありますが3Kつまり、 「きつい仕事」「汚い仕事」それから「危険な仕事」です。日本でもコロナで失業率が上昇している中、介護の人手不足は深刻です。 例えば訪問介護の仕事では、 有効求人倍率は15倍です。 つまり15の求人募集のうち一人しか集まらないということです。近所に立て看板があり「訪問介護募集:時給2000円~」というのがありました。オフィスの派遣社員でも時給2000円というのは高いほうに入るのではないでしょうか。日本でもホワイトカラーよりもブルーカラーのほうが時給が高いこともあるのです。

アメリカにもある肉体労働者あるいはブルーカラーワーカーに対するスティグマ(汚名)

アメリカにマイク・ロウという有名人がいます。彼は道路を舗装したり、 風力タービンのオイルフィルターを交換したり、 下水道の目詰まりを掃除したり、 配管工事をしたり。。。 何のために彼はこんなことをしているかと言うと、 こうした仕事は生活に欠かせないものであり、 汚い悪いイメージを抱くのは良くないことだとし、 こうしたネガティブなイメージを変えるのが彼の使命だというのです。 

配管工の1時間あたりの最低賃金は20ドル

配管工の仕事は安定している
配管工の仕事は安定している

英語ではプラマー行って配管工は大変な仕事としてあまり良いイメージを持たれてないようです。 ですが、配管工の見習いとしても1時間あたり20ドルの賃金が支払われます。 配管工のデビューを果たしてからわずか数年でライセンスを取れば年収7万ドル以上稼げるそうです。 

ではどうして頑張れば1000万プレイヤーになるような仕事につかないのでしょうか? それにはあまり良くない固定観念があるといいます。

日本でもそうかもしれませんが工業専門学校に行くということは4年制大学に行けないから行くのであると。 つまり自分から 好き好んで行くところではないということです。 実際にアメリカの高校でアンケートをとるとほとんどの人が4年制大学へ行くことを望んでいます。また彼らの親御さんもそう考えているのです。 

それにも関わらず高校を中退した人が入学した人の15%にも及び、また大学に入学しても卒業してない人が半分近くいるのです。4年生大学に入学すると卒業するまでにとてつもない金額の授業料を払わなければいけません。授業料だけでなく生活費も入れると大変な額になります。晴れて卒業したとしてもホワイトカラーの仕事が見つかるとは限らず特に IT業界ではすぐに競争に負けて脱落する人が多いとのことです。

ホワイトカラーとブルーカラーの賃金はほとんど変わらない

4年生大学を卒業して仕事に就いたとしても年収の中央値は54000ドルです。それに対して電気技師は51000ドル、配管工は46000ドルです。 また4年制大学を卒業するとほとんどの学生は多額の借金を背負うことになります。

4年生大学を卒業してうまく職につけたとしても、もし失業をしてしまった場合スターバックスのバリスタとして働いたり、スーパーのレジ係りとして働くというのはほとんど最低賃金であり、長時間仕事をしなければ生活していくのはかなり困難です。

もし配管工で働くつもりがあれば見習いの段階で時間あたり16ドルが支払われます。 

大学でコンピューターの学位を取ったブライアンさんは現在電気技師として働いています。

「大学で電気技師になると思ったことはありますか?」

(ブライアン・ラモルトさん)「いいえ。私はどこかの大企業で働き、システムアナリストか何かになるためのトレーニングをしていると思っていました。しかし、実際には、私は簡単に置き換えられことができる存在だと気づきました。テクノロジーの世界では、非常に早く、すぐに時代遅れになってしまいます。」

(PBSの放送より引用:https://www.pbs.org/newshour/show/with-millions-looking-for-work-stigmas-create-a-dearth-of-skilled-tradespeople

 AI やロボットの発展でもなくならない仕事

AI時代でもなくならない職業

少し前に話題になりましたが、オックスフォード大学の調査によりAI によって今後10年から15年の間になくなる可能性がある仕事が発表されました。なるなる仕事として、一般事務員、銀行員、警備員、スーパー・コンビニの店員、タクシー運転手、 電車運転手、ライター、 集金業者、 ホテルで働く従業員、工場労働者、建設作業員などがあがりました。 AI やロボットが発達してもなくならない仕事としては、 営業職、データサイエンティスト、介護職、 カウンセラーやコンサルタントがあがりました。 

確かにタクシー運転手は中国の深センでは既にいなくなっています。 完全な自動運転によるタクシーが既に街を走っています。

ただ細かく見ると営業職でも単なる電話受付であれば機械に取って代わられると思いますし、逆に建設作業員でも、例えばコンクリートを流し込み平らにしたり、左官工、壁紙を貼ったりあるいは、足場を組んだりといった作業はロボットではまだまだ代替できないでしょう。 

同じようにここで触れられている電気技師や配管工またエアコンの設置作業などはとてもロボットではまだまだ代替されることはないことでしょう。

アメリカではコロナが治ったらこういった熟練労働者の出番がますます多くなるだろうという人もいます。

エアコン設置作業で年収2000万円というのはもしかしたらあながち嘘ではないかもしれません。

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