ミャンマーにある世界最大のものとは?

 ミャンマーの人々の85%は敬虔な仏教徒です。 上座部仏教を奉じる彼らにとって、この世は次なる生まれ変わりを願う輪廻転生の通過点とも言えます。そのためにもこの世で功徳を積まねばならず、お寺への寄進や仏塔を造ることがとても盛んです。そうした意味ではタイと似ています。そのエネルギーたるやすさまじいもので、その結果、尋常ではないほどの数の仏塔と寺院がミャンマー中に満ちています。

 仏塔はもともと仏舎利(釈迦の骨)を収めるために造られたものでしたが、今では釣鐘型のビルマ式仏塔はミャンマー全土で見られます。もっとも有名で参拝客を集めているのは、ヤンゴン市内にあるシュエダゴン・パゴダです。金色に輝くこの仏塔には仏陀の聖髪が収められていると伝えられ、高さは99.4mもあります。しかし高さでは、首都から北東約70kmに位置する古都バゴー(ペグー)にあるシュエモード・パゴダの方がさらに高く、114mもあります。

 大きい仏塔は歴代の権力者の力を示すシンボルでした。故に巨大な仏塔がミャンマー各地にあるのです。 しかし世界最大の仏塔は、残念ながら隣国タイにあります。ナコーン・パトムにあるプラパトム・ チェディで、その高さは120mにもなります。

 「大きいことはいいことだ」の精神は、 ミャンマーでは仏塔だけではありません。 日本ではあまり見ませんが、隣国タイも含め上座部仏教の国で涅槃仏の仏像がよく造られます。 タイのバンコクのワット・ポーにある涅槃仏はその大きさで有名ですが、 それでも全長46m。 ミャンマーのバゴーにある10世紀の涅槃仏は全長55m。 初代ゴジラとほぼ同じサイズです。 ヤンゴンにあるチャウッター チー・パゴダの寝釈迦は70m。これは平成ゴジラ・サイズです。しかしそれでも満足しないのがミャンマーの人々でしょ う。 さらに大きい涅槃仏を目指し、モンユワ郊外に全長111mのシュエターリャウン涅槃仏を造りました。山の中腹にあるこの涅槃仏は遠くから見るとまるで怪獣です。しかし現在、それを凌ぐ大きな涅槃仏がモウラミャイン郊外にできました。全長183m。世界最大の涅槃仏です。

 そして立像もギネスに挑戦すべく、前述のシュエターリャウン涅槃仏のすぐ後ろに巨大な仏陀の立像が2008年に建設されました。 このレーチョン・サチャームニ立像は、高さ115.8m(台座を入れると129m)。完成時では大仏の高さでギネス記録保持の牛久大仏(高さ100 m、台座20m)を抜きましたが、現在、インドや中国にそれをしのぐ立像があることから世界で3番目の高さとなりました。観光用として33階ある内部はエレベーターで昇れるようになっています。

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