ミャンマーは右側通行なのに日本車が多い理由

 ミャンマーで驚くことの一つに走っている車のほとんどが日本車なのです。 首都ヤンゴンでバスを待っていたら、「日本の市バス」が停まったことがありました。乗ってみると、「ワンマンバス」の表示や降車ボタン、日本語の広告など内装もそのまま。 また、飛脚のキャラクターの 「佐川急便」や、「○○教習所」、「FOOT 店」などの塗装が入ったまま走っているト ラックや車もよく見かけます。これらの車は日本での役目を終え、中古車としてミャン マーに渡ったものです。 ミャンマーの人に 「なぜ塗装をそのままにしているのか」と聞くと、「日本車だと見てわかるので、あえてそのままにしている」という答えが返って来まし た。もとより車検などない国なので、「故障しない」と定評のある日本車に人気があるのです。さて、もともと英領だったミャンマーでは、車は日本と同じ左側通行でした。 ところが政府 は1975年に突然、それを右側通行に変えてしまいます(参照:日経新聞の記事)。

ミャンマーでは古い日本のバスが多く走っている

 理由は不明ですが、その頃にイギリス風の地名や通り名を改称したのと同様、 イギリス色を払拭するためだと言われていま す。そのため右ハンドルの日本車で追い越しをしようとすると、かなり左へ寄らなければ 運転手から前が見えません。ミャンマーを移動中、たびたび怖い思いをするのがこの「追越し」で、いつ対向車にぶつかるかと冷や汗ものです。

 ミャンマーの車事情で、もう一つ付け加えることがあります。ミャンマーではガソリンは割当制で、車一台につき買えるガソリンが 1カ月で何ガロンと決まっています。しかし 地方へ遠出をしたり、車を使う仕事をしたりしている人は、割当だけでは到底足りません。 ただし「規制あるところ必ず抜け道がある」 もので、値段は公定の2倍以上ですが、各町には必ず闇ガソリン売り場があります。

 当局も知ってはいますが、あまりきつく取り締まると政府への不満が高まりますし、何よりも当局の人たちが闇ガソリンを流して儲けているのですから、本気で取り締まることはありません。 この「公定ガソリン代」はずいぶんと安く設定されていました。しかし世界的な原油高騰の影響を受け、軍事政権はガソリン代の値上げに踏み切りました。民主化が後退したこともあり、市民の間には大きな不満がくすぶっています。

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