典型的なミャンマー料理とは?

 ミャンマー料理と言えば、何が浮 かびますか? 日本ではタイ料理やベトナム料理店は多くありますが、それに比べるとミャンマー料理店は少ないので、たぶんイメージが湧きにくいのではないでしょうか。多民族国家のミャンマーでは民族ごとに特徴的な料理がありますが、ここで人口の7割を占めるビルマ族のビルマ料理について見てみましょう。

ミャンマーはカレーが一般的だが脂っこいのが特徴

 ビルマ料理の食卓は基本的には日本と同じ構成で、ご飯とおかずが何種類か、それにスープの組み合わせからなります。おかずのメインは 「ビルマ風カレー」です。 カレーといっても、 小麦粉や澱粉でとろみをつける日本、ココナツミルクを使用するタイ、スパイスをふんだんに使うインドとは異なり、ビルマのカレーはいわば油たっぷりの煮物のようなものです。基本となるカレーソースは、タマネギ、ニンニク、 ショウガ、トウガラシに、主菜となる肉(ブタ、ウシ、 ヒツジ、トリ)か魚、エビなどのうちらかの一種類を加えて、落花生などの植物油でトロリと炒めたものです。見た目は「煮た」という方が近いでしょうか。

 しばら くすると、カレーは赤い油と沈んだとろみ部分に分離していきます。日本人の中には油っこいビルマ風カレーが苦手という人もいますが、このカレーソースをご飯にかけて食べると、ミャンマーの人々はいくらでもご飯が進むと言います。

 大衆的なビルマ料理のレストランではメニューはカレーしかなく、注文は「チキン」 とか「エビ」と言うだけです。 ただしメインのカレーには、 必ずご飯とスープ、そして副菜として何品かのおかずが付いてきます。これは料金に含まれているもので、おかずの皿数や種類は店によって異なります。

 たとえば、手軽な安食堂なら2~3品、ゆったりと食事ができるようなレストランだと10品ほどが付きます。よくあるおかずは、青菜の炒め物や野菜の煮付け、箸休めの生野菜、干魚の揚げ物、漬物など。メインのカレーが油っこい分、副菜はさっぱりしたものが多いのが特徴です。 ちなみにこれらの副菜は、基本的に全てお替り自由です。韓国のナムルに近い感覚でしょうか。

 その他にも外食としては「モヒンガー」という米粉細麺もポピュラーで、都市部ならあちこちにモヒンガーの店を見かけます。しかし日本のラーメンのように、これは家庭ではあまり食べない料理のようです。

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