ストーリーテリングの力(4):部下のやる気を起こすスピーチ
部下を鼓舞するスピーチ
前回は 自分の部下や同僚その連帯感を高めるためにどのようなスピーチをすれば良いかを話しました。 関連性(その場で探して話かどうか)、魅力(話の内容が面白いかどうか)、 再現性(他の人に話したくなるような内容かどうか)この3つのポイントが重要でした。 それ以外にも注意点があります。
- 色んなエピソードの引き出しを持っておく
- 聞いている人がどのような状況かを把握し話す内容を決める
- そのエピソードに基づいてどのような肉付けをするか決める
- 時間配分に注意をする
① エピソードの引き出しを持っておく
どんな人にもとっておきのエピソードというものがあると思います。 ただしひとつしかないと色んな場面で使うことはできないでしょう。 どのようにして たくさんのエピソードを集めることができるでしょうか。
自らの体験に基づいた話はとても説得力があります。実生活の中で気づいたことがあれば記憶に留めておきましょう。 しかし実生活の中で経験できることには限りがあります。そこで映画であったり文学であったりあるいは歴史であったり、昔の偉人の話を持ち出すのも良いでしょう。
経営の神様と呼ばれている松下幸之助の本が売れているのは、彼に関するエピソードが枚挙にいとまがないからです。 経営者であれば松下幸之助の本を一冊でも読んだことがある人が多いでしょう。
② 聞いている人はどういう状況かを把握する
聞いている人がどんな話が聞きたいのか、それを事前に把握しましょう。 もちろん一人一人の価値観が違うので複数の人に対して話をする時はその場はどういう状況なのかを判断する必要があります。 相手が聴きたい話に沿った内容を心がけるのは当然のことです。
③ エピソードをの肉付けを考える
松下幸之助のエピソードを引用するだけでは本の棒読みと同じです。 そこに自分なりの視点や気づきを入れて肉付けすることで単なるエピソードを自分の物語として語ることができます。 こうした場合も聴衆の興味関心に合わせて カスタマイズすることをお勧めします。
④ 時間配分に注意をする
最後に時間配分に注意をしましょう。 話の時間があらかじめ決められている場合もあるでしょう。 ただ単純に一対一で話したり会議で話したりする場合はあまりキッチリとした時間が決められているわけではない場合もあるでしょう。 そうした場合でもなるべく簡潔にわかりやすく3分ぐらいを目処に話をすることを心がけましょう。
『職場の教養』という冊子が中小企業などわりと小さな会社の職場で使われているそうです。 見開き2ページの短いエピソードが毎日掲載されています。 ただしこういったものにあまり季節性はありません。 去年に掲載されたエピソードを話した方が実はその時の職場の状況や集まっている聴衆の関心にマッチする可能性があります 。このようにできるだけその場の雰囲気や聞いている人に合わせた内容にカスタマイズをすることがとても大切です。
松下幸之助の本にしてもとても便利ですが、 機械的に読むようなことはせず必ずパーソナライズをして相手の心に響くような内容にしましょう。
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