ミャンマーで人気のタナカとは?
ミャンマーでは、女性がに黄色とも茶褐色ともつかない色をしたい薄い粉を頬に塗っている姿をよく見かけます。 塗っているのはほとんどが若い女性か子どもで、男性は小さな子ども以外は塗っていません。 この粉は、「タナカ」と呼ばれる木の幹をすり下ろして粉末状にしたもので、肌を日差しから守る「日焼け止め」や「美白効果」がその主な目的です。 「タナカ」 という名ですが、日本人の「田中さん」とは関係ありませんが、覚えやすいですね。
ミャンマーの市場や道場では、直径20センチほどのタナカの木を適当な長さに切った丸木が重ねられてよく売られています。 これを使う時は水に濡らした硯のような石の台の上で擦って泥状にし、それを顔に薄く延ばすようにして顔に塗ります。 商品ではすでに粉末状になっている「インスタント・タナカ」もあります。これはタナカを粉末にして固めた状態のもので、ナイフなどで必要量だけ削り取って水で延ばして使います。参考:朝日新聞の記事
顔への塗り方は一見粗雑なよう ですが、おしゃれの一つとして女性たちは鏡を見ながら塗り方に気を配っています。頬以外にも額や日焼けしやすい腕などにつけたりすることがありますし、なかには型紙を使って模様を美しく描く女性もいます。
タナカは塗った直後はひんやりして気持ちいいのですが、乾いてくるとやがて黄色い粉状に変化しひび割れしてきます。あとでタナカを落としてみると、洗顔効果のためか肌がすべすべしているのがわかります。われわれ外国人には、タナカをした人は顔にパックをしたまま外へ出てきてしまった人とそう変わりませんが、ミャンマーではこれは化粧の途中ではなく完成形なので、そのまま仕事をしている女性も珍しくありません。もっとも、都会でオフィスワークをしている女性はあまり日に焼けることもないので、タナカをしていないことが多いようです。
肌が白い女性が 「美人」という感覚は東南アジアに共通したもので、近隣諸国でも良家の子女などは昼の外出時には日傘を差しなるべく日に焼けないようにしています。 肌の白い日本人女性は当然人気の的で、ミャンマー人の男性にしてみれば「日焼けサロン」やわざわざ海に行って体を小麦色に焼く日本人がいることなどは信じられないでしょう。