上司がA社員に期待しているのは、A社員が贈られた花束についての情報を持っているかどうかです。日頃から目的意識を持って仕事をすると、上司の言葉から「目的」を読み取ることができます。上司の希望する情報がない場合は、不在だったという言い訳をするのではなく、花束を受け取った人に聞いてみましょう。上司が欲しい情報を素早く調べて提供できることは報連相の基本です。事前に調べておくのがベストですが、最低でも知らないと言うのではなく「調べてみます」と応えましょう。
<質問への回答と期待への対応>
「受け答え」と「期待に応える」の両方ができる人になりましょう。日常的に目標を意識して仕事をすれば、期待に応えることができます。例えば、お店にいるお客様から「これはありますか?」と聞かれた場合、店員は「ありません」とだけ答えるのはあまりにも不躾です。目的を意識して期待に応える店員であれば、「何に使いますか?もしそうなら、これで代用できるかもしれません」「代わりにこちらはいかがですか。これは最新の機能を備えていて、最近よく売れています」「申し訳ございません、当店では取り扱っておりませんが、あちらのショップで見つかるかもしれません」などと答えるでしょう。
<ケーススタディー>
「D社のお客様がお見えになりました」 休日の病院での昼食時に、院長の来客があり、受付のBさんが応対しました。お客はD社の医薬品販売員でBさんは顔だけしか知りません。販売員は、「院長にご相談したいことがありまして、お約束はしていないのですが、お会いできますか?」と尋ねました。そこで、Bさんは上司の院長に聞きに行きました。Bさん:「D社の人が面会に来ました」院長:「D社の誰ですか。」Bさん:「たまに来る眼鏡をかけた人です」院長:「どの眼鏡を掛けた人?どんな相談ですか?急ぎ?」Bさん:「さあ、わかりません」
<面会の目的をはっきりさせる>
この場合、「面会したい人が誰でどんな目的か」が「院長の判断となる情報である」ことに注意しましょう。目的が認識されていない場合は、単なる通知です。院長の判断の基礎となる正確な情報を収集することが応対したBさんの仕事です。「お名前と、なぜ院長にお会いになりたいのでしょうか?」と尋ねましょう。曖昧な情報を伝えるだけではあなたは単なる呼び鈴にすぎません。呼び鈴の役目ではなく、判断材料を提供することが連絡の基本です。