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古着ショップ革命

9kgで2000円!これは肉の量り売りではない。つめ放題のイベントの結果だ。何の取り放題か?フルーツ?野菜?答えは「古着」。24cm×34cmの袋に詰めるだけつめて2000円というイベントを毎日行っている古着店が現れた。オーナーの渡辺佳克社長は「古着業界にまつわる悩みの種“過剰在庫”の問題を、“つめ放題”という手法で解決をした」と語る。

古着と聞くと「人が着たものだからなぁ」と60代の男性会社員は怪訝そうな顔を浮かべる。終戦直後に生まれた団塊の世代は古着に対してあまりいい印象を持っていないようだ。他の60代の男女に聞いてみても、「古臭い」「人が着たものだからいやだ」「生理的にどうも・・・」などの否定的な意見が多い。

 だが、その子供たちである団塊ジュニアはそれほど抵抗感を持っていないようだ。「ユニクロなど統一したデザインの服を着る中に、一点だけユニークな柄やスタイルの古着を着こなす若者が多い」と渡辺社長は分析する。

社団法人「日本衣料管理協会」が昨年末から今年初めにかけて約800人の女子大生を対象に実施した調査によると、古着のイメージについて「個性的」「味がある」「おしゃれ」の回答がベスト3に並んだ。古着を買った経験を持つ人は6割強で、その大半が古着の専門店を利用。一回の購入金額の平均は3020円だった。商品の満足度では「かなり」「まあまあ」を合わせて8割以上を占めるなど、親の世代と違って身近なファッションになっている。

渡辺社長はpeople meets wear の店舗名で2009年2月に第1号店をオープン。売り場面積1500平米もある国内最大級の専門店だ。2年ほどで千葉県に3店舗を構えるまでに古着ビジネスを成功させた。成功の裏には在庫を一掃する「つめ放題イベント」のアイデアの他、業界の常識を打ち破る「試着室」を設けたり、買い取った汚れた服をクリーニングしたり、返品に応じたりする「顧客目線」を大事にしたことが大きい。通常試着室を設けないのは万引きを防止するためで、業界のスタンダードとのことだ。

20代の専業主婦は「子供はよく服を汚すから、子供服をよく買う」と話す。母親と一緒に来たという10代の女性は「クリーニングされているので、安心して着られる」と満足そうだ。母親も「掘り出し物はないかと、よく来ている」と話す。

お店の従業員によると、お客さんも週末はファミリーやカップル、平日の夜はサラリーマンと幅広い。また中国、韓国、タイなど外国人もよく来るという。

「日本製のブラジャーは中古品でも海外では人気が高い」と話す渡辺社長は、通常は下着や水着などは買い取らないものの、今後海外に向けてブラジャーを買い取ることも考えているという。さらにネット販売も視野に入れ、古着業界の革命児として鼻息があらい。