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ビジネスアナリストとは?仕事を改善するスペシャリスト

ビジネスアナリストとは?仕事を改善するスペシャリスト

ビジネスアナリストとはどういう職業でしょうか?あまり日本では聞き慣れないかもしれません。確かに、肩書きに「ビジネスアナリスト」という言葉はないかもしれませんが、日々の仕事の中で多くの人がすでにビジネスアナリスト的なことをしている可能性は十分にあります。

例えば、社内 SNSに機能を追加する管理者であったり、あるいは、プロセス改善の機会を見つけ、ビジネスをより良くするために少しずつ改革している人もいます。ビジネスアナリストとは仕事を改善するスペシャリストと定義することができます。

この記事ではプロのビジネスアナリストが、プロジェクトやキャリアで成功するために行っていることを紹介します。こうしたコツを学ぶことで、ビジネスアナリストとしてのキャリアを考えていなくとも、日々の業務改善をする方法が身につくと思います。

ビジネスプロセスのフロー図を作成する

まずは業務プロセスを図式化しよう

まずビジネスプロセスの改善を求められたとき、最大の課題の一つは、ステークホルダー(その業務に関わっている人)が現在どのような仕事をしているのか、なぜ改善の必要があるのかを1から10まで理解することです。あなたは探偵のように、彼らを苦しめている実際の問題を解明しなければなりません。そのためには、現状に光を当てる必要があります。

そうすると相手にとって何が重要なのかを知ることができます。多くの場合、それは時間や労力、またはお金の節約ですが、それ以上のものである場合もあります。それが何であれ、相手が何を重視しているのかを検証するために、いくつかのベンチマークを設定するようにしましょう。例えば、営業担当者が見積書を作成してお客様にメールで送信するのに、何分かかるか。また、オフィスにコピー機を納入した後、サービス担当者が再訪問するまでの期間はどうか。ベンチマークは定量的であればあるほどよいです。

また、現在どのように業務を行っているかを深く理解するための最良の方法の一つは、ビジネスプロセスのフロー図を作成することです。業務プロセスの図式化といってもいいでしょう。これは、あるプロセスを最初から最後まで完了させるために行われるすべてのステップと意思決定を視覚化したものです。

この種の図を作成するためのツールはたくさんありますが、デジタルツールを使わずにノートに付箋を貼るのもいいでしょう。どのような方法で図を作成するにしても、複数人でやる場合は参加している全員が(プロジェクターやホワイトボード、あるいはバーチャル会議で共有しているコンピューターの画面上で)それを読むことができ、すぐに変更を加えることができるような大きさであるとよいでしょう。模造紙にみんなで記入するのもよい方法です。

プロセスフロー図のラフドラフトは、不完全なものから始めても構いません。既存のドキュメントやトレーニング資料から収集した情報をもとにドラフトを作成してください。この時点で完璧に仕上げる必要はありません。後から変更するための雛形のフレームを作ってください。

現場の従業員に参加してもらう

現場の社員にも参加してもら

次に、そのプロセスを最もよく知っている人たち、つまり、日日の仕事としてすべてのステップを踏んでいる現場の社員に会います。自分が書いたドラフトに欠けている部分を補ってもらったり、間違いを直してもらったりすることで、ビジネスフローができるだけ完全なものになるように、些細なことでも話してもらうようにします。どんな些細なことにも、物事をより良く変えるチャンスが隠されています。

このエクササイズは、現在のプロセスで何が不満や非効率の原因となっているかについての豊富な情報源となります。何がつらいのか、そのつらさを解消するには何が必要なのかを議論するきっかけにしてください。また、初めて聞くような現場、業界の特有の事項についても、明確に説明してもらうことができます。

プロセスフロー図の作成が終わったら、プロジェクトの遂行中はいつでも参照できるようにしましょう。潜在的なソリューションが現在のプロセスと比べてどのように変更され、統合されるかを評価するのに役立ちます。

その業界の言葉を学ぶ

ビジネスアナリストとして成功するためには、優れたリスニングスキルが不可欠です。結局、ビジネスアナリストとしての仕事の大部分は、現場の社員が何を達成したいのかを理解することです。そして、その情報の多くは会話を通して得られます。その際、現場の社員や担当者のビジネスに特有の用語が出てくることがあります。議論の途中で「この言葉の定義を教えてください」とお願いできるようにしておきましょう。

現場の社員の言葉を学び、その言葉を使って社員の言っていることや求めていることを確認することができれば、その社員のビジネスを理解しようとする真摯な姿勢を示すことができます。そうすることで、信頼関係を築くことができると同時に、言葉の行き違いを防ぐことができます。

アテンション・トラップの回避

忙しい人ほど重要な意見を持っている可能性がある

現場のビジネスプロセスを理解し、それを改善するためのソリューションを開発しようとすると、組織内のさまざまな人たちと関わります。中には非常に反応の良い人もいて、アイデアや懸念があるときにはあなたに連絡を取ろうと努力するかもしれません。逆に、忙しい人から返事をもらうのは難しいこともあります。

実はこのやり方には危険が潜んでいます。非常に反応の良い人は、プロジェクトの要に貢献できる人ではないかもしれません。そのため、対応の良い人から情報を得やすいことで、誤って優先順位の低い項目に時間を割いてしまうことがあります。

実際には、必要な情報を持っている人が、共有することに消極的に見えたとしても、また忙しかったとしても、ヒアリングをするための特別な努力をしなければなりません。

適切な担当者とつながり、適切な言葉を使い、視覚的なツールを使うことで、ビジネスプロセスの改善に貢献するために必要な情報を見つけましょう。こうしたことがビジネスアナリストとして成功するかどうかを左右します。

タイミングがすべて

“Timing is everything “という言葉を聞いたことがありますか?ビジネスの成功に必要な要素はビジネスのアイディアや資金、能力などたくさんありますが、実際にはタイミングが一番重要だということが分かっています。ビジネスアナリストにとっても、正しいことを間違ったタイミングで行うことは、様々な問題を引き起こします。よいタイミングを逃さないようにしましょう。

アジェンダを提供し意味のある会議にする 

会議のアジェンダは必ず作ろう

業務フローを図式化し、ヒアリングを終えたら、ソリューションを提示します。その際には、何回か会議を開催することになります。また、ヒアリングでも会議を開催することがあるでしょう。しかし、ただでさえ忙しいスケジュールの中で、さらに会議が増えることを社員は必ずしも快く思っていません。ありがたいことに、ほとんどの人は生産的な会議を評価します。ですから、あなたの仕事は、会議をできるだけ有意義なものにすることです。

良い会議の最も重要な要素は、会議が始まる前に提供されるアジェンダです。アジェンダとは、従業員の貴重な時間を使って何を達成したいのかを伝えるものであり、あなたとの時間に対する期待を示すものです。

また時間配分も示しましょう。会議が順調に進む可能性が高くなります。もし、会議が脱線しそうになったら、アジェンダに立ち返ることで事態を収拾することができます。また、事前にアジェンダを提供することで、参加者全員が質問やコメントを準備することができ、生産的な会議が期待できます。もし、会議で誰かに何かを提供してもらう必要がある場合には、必ずその旨を伝え、事前に準備をしてもらうようにしましょう。

プレゼンテーションをする

また、どんなに小さな会議でも、プレゼンテーションを用意しておきましょう。プレゼンテーションをすることで、準備ができていて、統制がとれているように見えるからです。会議に構造を与え、アジェンダに沿って進めるのがより簡単になります。

また遅れて参加した人にも、あなたが会議のどの位置にいるのかを知らせる道しるべとなります。プレゼンテーションには客観的な情報を提供するための豆知識(定義など)を含めると良いでしょう。また、視覚的なものに注目させることで、注意力を持続させることができます。

ミーティングを記録する

許可されている場合はすべて記録しましょう。会議を録音すれば、その場で詳細なメモを取ることを気にする必要はありません。むしろ、積極的に議論に参加することができます。会議を円滑に進めるためにいくつかのメモを取ることはできますが、詳細を分析する作業は後で自分の時間で行うことができます。また、あるトピックについて誰かが言ったことを、メモ(あるいは自分の記憶)に頼るのではなく、もう一度正確に聞きたいと思うこともあります。録音はすべてを記憶しています。

最後に、ミーティングの終わり近くに、取り上げられた内容を振り返り、全員が一緒に過ごした時間から得られたものを要約します。会議のまとめですね。次のステップの責任者を明確にし、議題の中で次回の会議で再検討すべきものがあれば、それも忘れないようにしましょう。

会議を上手に運営することで、たとえあなたがその業界や分野での経験が浅くても、落ち着いたプロフェッショナルな印象を与えることができます。

流行りのツールの前に目的を確認

当たり前のことかもしれませんが、問題を解決する前に、問題の理解をしなければいけません。ビジネスアナリストの世界では、それはソリューションを提供する前に、すべての要件を収集することを意味します。この2つのステップの順番は理にかなっていますが、このステップを逆にしようとすると、うまくいかないことがあります。

例えば、最初のミーティングで、ステークホルダーがすでにソリューションを用意している場合です。ある流行りの製品のデモを見て、それを自分のビジネスで使う方法を知りたいという場合です。しかし、その製品が実際のビジネスニーズを満たしているかどうかは保証されていません。ツールを導入する前に目的を明確にする必要があるのです。

先手を打って解決しなければならない場合は、特定の製品ではなく、業務改善などで達成したいことを考えるように関係者にお願いします。どうやって今とは違うことをするかではなく、なぜ今とは違うことをする必要があるのかを考えるように誘導します。「なぜ?」と尋ねることの重要性を認識してください。 

 ソリューションをできるところから構築

できるところから改善をする

ビジネスアナリストとしての仕事の最終段階は、ビジネス要件を整理し、ソリューション計画を立て、実践することです。多くの場合、ソリューションには構築を必要とする部分が複数あり、どの部分を先に構築するかを決めることができる場合もあります。そのような場合、現場の担当者や社員、あるいはお客様に迅速な利益を提供できるツールを選択するとよいでしょう。

プロジェクトの早い段階で、結果が出やすいソリューションを提供できることを示すことは、多くのメリットがあります。最も重要なのは、相手にとって信頼を築くことです。すぐに結果が現れるような施策を打つことで、最初はあまり興味を示さなかった他のチームからも賛同を得て、プロジェクト全体に勢いをつけることができます。

組織全体を考える

ソリューションをできるところから始めたら、組織全体に広げていきましょう。ビジネスの一分野に絞ってプロジェクトを始めることがよくあります。これは、最大のリターンを得られる場所に投資するためです。しかし実際には、1つのプロジェクトで行われたことが、他の部署に大きく影響することがあります。

ソリューションを開発する際、参加者が増えると管理が大変になります。部署ごとに要求や優先順位が対立してしまうこともあるでしょう。しかし、良いビジネスアナリストとして、あなたは常に大所高所で考察しなければなりません。

最初のプロジェクトで他の部署が影響を受けそうなときは、彼らを議論に参加させる機会を設けてください。他の部署には共通のビジネスニーズがあり、それに合わせて計画を立てることができるかもしれません。そうしないと、次のプロジェクトのたびに多くの作業をやり直すことになるかもしれません。あるいは、最初のプロジェクトで行った作業をやり直すことになるかもしれません。

ビジネス要件を満たすソリューションの開発に着手する際には、多くの場合、実行可能なソリューションは1つだけではなく複数あり、それぞれに長所と短所があります。コミュニティフォーラムに質問を投稿したり、似たようなユーザーグループに聞いたりすることも必要かもしれません。いずれにしても、ただ漠然とソリューションを開発するのではなく、相手にソリューションの選択肢を提供し、どのソリューションが相手のニーズに最も適しているかを話し合ってください。

本気でテストする

また重要なのはソリューションを実践する前に、徹底的にテストすることです。良いテスターになるためには、クリエイティブでなければなりません。期待される道筋をテストするだけではいけません。小さな亀裂を見つけ、ユーザーがつまずくような障害がないか確認します。

新しいユーザーのように考えるのは難しいものです。というのも、ソリューションが構築された時点で、そのソリューションについてすべてを知っているからです。そこで、何も言わずにソリューションを試してくれるボランティアを探し、意見を聞いたり、彼らの行動を観察したりします。彼らが苦労している様子がわかれば、ソリューションを改善するチャンスとなりますし、少なくともトライアル中に改善できます。

新しい機能をテストするのと同時に、変更していない関連部署の様子も観察してください。システムが相互に関連している場合、1本の糸を引っ張ると他のものがずれてしまうことがあります。関連するものが壊れていないかどうかを確認することが必要です。このような徹底したテストを行うことで、相手からの信頼を得て、確かなソリューションを提供することができるのです。

ソリューション提供後に重要なこと 

振り返りと改善

ソリューションを提供した後も改善を繰り返そう

何かに初めて挑戦して10点満点取れる人はほとんどいません。ビジネスアナリストにとって、改善は一種の規定のプロセスです。次のプロジェクトや自分のキャリアのために、時間をかけてフィードバックを求め、知識を深めることは、大きな投資効果があります。

成功を測る

既存のプロセスにベンチマークを適用します。1つは、テストで確実に定量化できる結果が得られるかどうかです。曖昧な結果が出るようであれば、そのテストはあまり価値がないので、修正する必要があります。良いテストであれば、解決策が確立された後に比較できる基準となる結果が得られます。さらにソリューションを改善した場合は、再度ベンチマークを実施します。

ベンチマークのデータはすべて有用です。相手は、どれくらい改善されたのかを知りたがっています。それは、投資収益率を計算する上で大きな意味を持ちます。ベンチマークデータは、ソリューションの評価でもあります。ビジネスアナリストとしてのあなたのスキルや手法が有効であることを証明することができます。

フィードバックを求め受け入れる 

プロジェクトでは、ドキュメント、プレゼンテーション、ソリューション、テストケースなどの資料を作成することになります。すべての制作物に、フィードバックを求めましょう。

ある業務に対して可能な改善ソリューションを持っていますか?それをコミュニティボードに投稿して、コメントを求めてみましょう。ソリューションのユーザーテストを行う時期になりましたか?テスト担当者に、そのソリューションを初めて試したときの感想を語ってもらいましょう。

フィードバックを受けることは不快なことも多いですが、素直に受け入れて改善に活かせるものがないか確認しましょう。フィードバックをすべて受け入れて取り込む必要はありません。最終判断はあなたです。自分を向上させるための対価として、フィードバックを積極的に受け入れましょう。

経験は最高の教師

経験は最高の教師であり、それは個人的な経験でなくても構いません。プロジェクトをリアルタイムで観察する機会があれば、ぜひ試してみてください。熟練したプロフェッショナルがどのようにビジネスアナリストの職務をこなしているのか学びましょう。仕事のコツを学べるだけでなく、将来の顧客に役立つソリューションを知ることができるかもしれません。

またプロジェクトの最後に行われることが多い反省会に参加してみてください。何が良かったのか、何がもっと良くすべきか聞いてみましょう。

(島田亮司)

参照サイト

Why Model Business Processes?

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