③なぜインド人はチャイ(チャーイ)を飲むのか?

(マサラティーのセット)

日本にあるインド料理店にはドリンクメニューに必ずスパイスを効かせたミルクティーの「チャーイ」があります。インド人もよく飲みますが、インドではいつからお茶を飲む習慣が始まったのでしょうか。 インドでは古代より中国から茶葉が運ばれて、一部の人には飲まれていたようですが、 それは薬用のためでしかも高価なものでした。 一般的なインド人にお茶を飲む習慣を持ち込んだのは実はイギリス人なのです。

イギリス人がお茶を飲むようになったのは17世紀。オランダの商人が中国(マカオ)から茶葉をイギリスに輸出したのがきっかけです。18世紀にイギリスがインドに進出すると、お茶の文化がインドでも一般的に浸透していきました。イギリス人経由でお茶の習慣が入っ てきたため、インドではヨーロッパ式にお茶を発酵させた紅茶に砂糖とミルクを入れるようになったのです。

1823年にインド北東部のアッサムで野生の茶木が発見されると、イギリス人はインドでのお茶の栽培を試みます。 インドで栽培ができれば、わざわざ中国から茶葉を輸入しなくてもすむからです。 インドのお茶栽培は、当初イギリスに安定したお茶を供給することが目的でしたが、そのうちインド人にもお茶が大きく受け入れられインド国内でも消費されるようになりました。

ダージリン
ニルギリ
アッサム
インドの三大お茶産地

紅茶の世界では「ダージリン」 「ニルギリ」「アッサム」が、インド三大産地と言われていま す。「ダージリン」の開園は1841年。 世界三大紅茶にも挙げられ、香気と渋みがよくスト レートで飲むのに適しています。 「ニルギリ」はインド南部のニルギリ丘陵で栽培されるお茶で、ミル クティーやスパイスティーに通しています。 「アッサム」の紅茶はコクのある濃厚な味で、やはりミルクティーに適しています。

インドと並ぶ紅茶の産地は隣国のスリランカです。 イギリス領だった頃、「セイロン島」と呼ばれており、紅茶の世界ではこの旧名を使い、「セイロン・ティー」と呼ばれています。 有名なのは世界三大紅茶のひとつウバでしょう。 ちなみに三大紅茶の残りひとつは、中国の安徽省祁門県付近で作られるキーマンです。

ダージリンインド
ウバスリランカ
キーマン中国
世界の三大紅茶

インドでは紅茶はストレートではなく、ミルクで飲むのが一般的です。 ちょっといいレストランや家庭では、英国式にポットで提供されますが、 街の屋台などでは鍋で煮出して作る「チャー イ」がポピュラーです。 「マサラ・ティー」はシナモンやカルダモン、クローヴなどのスパイスを入れたミルクティーで、店によってそのブレンドが異なります。

インド人がチャーイを飲むようになったのはイギリスの文化が入ってきたことが原因なのです。

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